税理士の実態調査
取得後の将来性、平均年収、給料、給料以外の特典
将来性
税理士にしか認められていない独占業務には、企業や個人事業主に代わって税の申請、請求、不服の申し立てなどを行う税務代理、税務申告書や申請書など税無関係の書類の作成、さまざまな税務関連相談に専門家としてアドバイスする税務相談などがあります。この辺りはニーズとして安定した需要があり、税理士の必要性が減少する自体は、まず考えられません。
また、企業の合併や買収(M&A)が盛んに行われている昨今、M&Aにおける多くの税法上の課題を克服する為にも税理士のニーズは高まっています。また、日本企業の海外進出や外資系企業の日本参入も増加しており、税理士が国際的に活躍する舞台も拡大中です。更に税に関連する訴訟件数も増加傾向にあり、弁護士を補佐する形で法廷に関わる税理士も増えているのです。
平均年収や給料
独立開業した税理士の平均年収は900万円前後だと言われています。しかし、これは様々な税理士の平均年収であり、一口に税理士といっても、日本には大きく分けて2種類の税理士への道が存在します。
そのうちの一つは皆さんが一番に思い浮かぶ、税理士の国家試験を受けて合格し税理士となるスタンダードな道、もう一つが、国税局に23年努めれば自動的に税理士資格を取れるという道です。
そして、一般的にいって高額の平均年収を誇る税理士は後者の国税局から天下りした税理士だと言われています。国税局としても顔見知りのOBが税理士として顧問をしている企業へは税務調査に行き難いですから、たくさんの顧問料を払える余裕のある企業は、税務調査が入りにくい国税局OB税理士を雇うほうが得策だと考えるわけです。
逆に試験合格組の税理士の平均年収はそこまでいっていないというのが実情です。合格率10数パーセントの壁を突破して税理士になっても、普通のサラリーマン程度の平均年収しか稼げないという税理士も中には存在します。
給料以外の特典
税理士の国家試験を突破する為には会計学の簿記・財務諸表論などを含めた5科目の試験に合格しなければならないのですが、税理士事務所や会計事務所では税理士だけではなく、科目合格者も募集していることがあります。その点、就職に有利といえるかもしれません。一度合格した科目は無期限に有効なのも、試験を受けやすい点だと言えるでしょう。